音羽村の公園は、新緑から深緑の季節に移り、めっきりと陽が伸びました。
此処のところ気温も上がり、木漏れ日の中での森林浴は、梅雨前の貴重な一時を味わう事が出来、殺伐とした昨今を一瞬でも忘れられます。
バブル景気の崩壊から20年。そこから天災人災の負の連鎖が始まったような気がします。『YOU』に書いてあった警鐘が現実のものと成り、現在に至っています。
会長が、「諸悪の根源は家庭に在る。不幸なニュースを見ながら箸も止めず、平気で食事が出来る茶の間(家庭)の神経を疑う。
世直しは、まずは自分と家庭から。それが地域へ、そして世界へと広がる」と、言われた事を思い出します。
音羽村会(東京月例会) 平成24年6月3日(日) 目次に戻る
●夫婦とは、一生惚れ合う事
今宵と言うより、黄昏時の甲州屋。そこへ一人また一人と集う中、「音羽村警察ですが、捜査にご協力を」と、しょうもないジョークで会長登場。そして佐藤さんの手料理とメンバーが揃い、これより例会の始まり始まり。
今夕は、会長の節操の無い噺が口火と成り、皆さんもそれに釣られて次から次へ……。甲州屋の空間を爆笑が埋め尽くす。
そんな中、「ワシ、良くいい噺をすると言われるけど、その上にどうでもが付くぜ〜。ワイルドだろ」
そこへ久我さん、「しょうもない!」と、一言呆れ顔。
そして談話の中、会長が、「人はどんなに銭を持っていても、飯が喰えなければ生きて行けない。
たとえば、砂漠で咽が渇き、死にかけた時。一杯の水が一億円に等しく感じるのよ。百円の水だけどね。
だから、その水に一億出すのか、百円しか出さないのか?……。百円しか出さない人は、人間としてセコイよね。
ここに居るみんなは出す金が無くても、ワシを応援してくれる……。ありがたいよね〜」
最後に、久々に参加のSさんの奥さん、Hさんのスピーチが始まる。
Hさん、「私達夫婦は馬鹿親で、二人してイライラしながら三姉妹を育てて来ました。普通なら曲って育つ子が居ても当り前だと思いますが、みんな真直ぐに育ってくれました。それだけは感謝の一言です」
そこへ会長、「じゃあ、Sは家族の事をどう想っているのよ」
Sさん、「僕は、カミさんと子供達の為なら、命と引き換えにしても守るよ。 ただ、呑んだくれの馬鹿亭主だから、伝わるかどうか分かりませんが?」
会長、「それに対してHちゃんはどう想う」
Hさん、「この人と出会った時、はっきり言って顔に惚れました。でも今はどうかな?」
会長、「それに対してSは」
Sさん、「僕は、今生でカミさんに出会え、父親に成れた事に感謝しています。そして、僕の親を大切にしてくれる事に感謝です」
会長、「Hちゃんは、まだ何処かでSの事を惚れているのよ。だって、亭主の親を大切にする事もふくめて、自分一人ではここに勉強をしに来ないだろ。ただ一個Sには物足りなさを感じるけどね。
だから、諦めたら駄目なのよ。夫婦は一生戦わなきゃ。妥協は駄目だよ」
そして、「じゃあ一生夫婦で居られる秘訣は! 死ぬまで惚れ合う事。ただそれだけ!!」
その後雑談の中、Hさんが、「分かりました。どちらが先に逝くか判りませんが、あなたと出会えて良かった。そして来生でも一緒に成ろうね、って言って死にたいです。だから、あなたもそう言われる人に成って下さい」
Sさん、「まかせろ!」
会長、「Sはまだまだ軽い人間だね。でもそれでいいのよ。今日から変わり、先へと進むと思うよ」
今宵の音羽村会は、Sさん夫婦を土産話に、おのおの帰って行きました。
サダ(三谷定英)
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