京都祇園に清々しく爽やかな春の風がなびく夕暮れ……例会の会場で、蔦谷重直さんの携帯電話にかかってきた会長からの電話連絡を受けて5月の例会が、始まりました。
蔦谷さん「よう解からんけど……、大変やねん……。」
この日は、別所さんが、会長と一緒に会場にお越しになる予定でした。
蔦谷さんによると・・・・・・
(電話口の)会長 『別所さんが、なかなか来ないなあと思ったら、事故や。車と当って、病院に運ばれ、もうすぐ薬もらって出てくるねん。ワシが病院に迎えに来てん。もうちょっとしたら、意気消沈してしゃべらんヤツ連れて行くけど……』
一同、大爆笑!(なぜ大爆笑なのか疑問を持たれる方は、「爽やか会」へお越しください。)
前島「笑いごとちゃうけど……、へぇ〜」
蔦谷裕子さん「なんでやねん……、からだ大丈夫なん?」
蔦谷重直さん「にわかに信じられへん……来たら別所さんの顔見よう。」
(居酒屋 季久の)おかみさん「大丈夫なんですか?」
程なくして会長と別所さんが、会場にお越しになりました。
会場の部屋の手前で下を向き、たたずむ別所さん……。
会長『アホ!信じられやへん。慣れない事を……よっぽど俺らを迎えに来るのが嫌やったんや。まったく……コラ!もう上がってこい!』
別所さん「……やっぱり、帰ろうかな……もう……」
会長『うるさい!5分でも良いから座っとけ!……仕方ない。罰!罰!相手が迷惑や。ぶつかってこられて。相手は、結婚式の帰りのお父さんとお母さんやったんやて。嬉しくて運転してたら、ドーンって来るからえらい目に遭ってしまった。折角お祝の日が、別所さんの所為で……反省しろ!』
この後、十数分間ほど別所さんの話を肴にして会長は、美味しそうにお酒を舐めていました。
おもむろに……
会長『今日は、人数が少ないからちょっと意地悪しようかと。メジャーな話しをしても面白くないからマイナーな話をしようと……。じゃあ、ぶつかった話をしようなって……』
一同、一瞬、目が点になり「えっー」(みんな完全に騙されていました。)
会長『全部、嘘よ。人間、シュミレーションするべきやね。もしもこう言う事があった時に対応できるようにシュミレーションしといた方が、良いよね。「ホント八百」って本を書いているけど、ホントに人を幸せにする場合はね、嘘の方がいい場合があるよね。嘘だけどホントを超えたホントになっちゃう。って言う本なのよ。「嘘をついちゃいけないよ」って読むんだけど、読み込んでいくと「嘘も良いなあ」と。幸せにできるんなら。そう言う事だね。今日、人数少ないからさあ、結構会話になったじゃない。「騙された!」って半分怒りながら、半分面白い。くそ真面目で何が面白いのよ。人の心をもてあそんだらアカンよ。結果的には同じやけど、それが楽しい方に行く、良い方向に向かう嘘は、ホント以上にホントだろうね。人を幸せにするのが、結局はホンマ者やろうな。』
地震、津波、竜巻、不注意・薬物使用暴走事故……ホントに、いつ何が起こっても不思議ではない世の中です。様々なシュミレーションして、自身の行動・考え方を整理し、相手の立場に立ったシュミレーションして、どのように行動する事が人を幸せにする事なのかに想いを巡らす必要があるのかもしれません。
今日の例会もいつもの京都・祇園「居酒屋 季久」さんでした。宴が始まって一時間ほどして料理を出しに来てくれたおかみさんに冒頭の事故の話は、「会長の作り話でした。」とお伝えしたところ……。
(居酒屋 季久の)おかみさん「あら、良かったですねえ。何事もなくて。……(微笑み顔で)ちょっと営業してしまいました。」
会長『優しいね。人間できているよ。』
今日も長居してしまいました。お開きの時間です。帰り際に会長にご主人さんからひと言。
(居酒屋 季久の)ご主人さん(真顔で)「お怪我大丈夫ですか?」
会長『ご存じなかった?すいません。なんでもないです。作り話だったんです。ごめんなさい。』
(居酒屋 季久の)ご主人さん「知ってましたよ!(満面の笑顔)」
会長『えっ!知ってたの!あたたっ!』
照れくさそうにお店を後にする会長でした。
|