「台風直撃の京都」の予報でしたが、盛り上がりっぱなしの宴の時間に台風は、京都を避けて離れたところにいるようです。
台風の影響で例会開催の有無を心配されている方もいらっしゃったようですが、『俺らは、台風に遭ったこと無いんです。台風の方が、逃げて行っちゃうんです。』と会長のお決まりの話を聴く事になるのだろうなあと、会長がお越しになる前に参加者で話していました。
今宵も初めて参加される方が、複数名いらっしゃったり、ご結婚の報告にとご夫婦で参加されたり、兎にも角にも始めから終わりまで、呑み、笑い、食べ、笑い、喋り、笑い……皆さん、全力疾走でした。
皆さんの今日このごろ談で盛り上がっています。
せつさん「若い頃あまり良い事が続かなくて、多くの波があったんです。もう60歳を過ぎましたし、この先の短い人生をどのようにしたら波の無い、災いの無い、幸せな人生を送っていけるのかなあ、っていうのを会長に聞きたいと思ってきました。」
会長『これですよ。今、目の前にあるよ。（両手を目の前に広げて）これです……。』
会長『同じ事をうちの嫁さんに今日、言われた。だからこう言った。「今が、如何に贅沢か……。眼が見えない、耳が聞こえない、口が利けない、歩けない、という人たちから見れば、如何に幸せか。」でしょ。碌な亭主じゃなくても、寄り添えてこれた。という喜びが……甘え過ぎているからそうやって、波が嫌だって言うんですよ。
実は、今も昔も凄く良い人生を送ってきているということですよ。こうやって喋れていることもそうだし、見ず知らずの人間と良い加減なことを言い合って、酒呑んで……、娘（ゆみさん）と一緒に今ここで同じ時間を過ごしていて、こんな贅沢は、他にないと思いませんか？』
せつさん「先ほどからの皆さんの話を聴いていて、あんまり嘘が無いかなあと思って、喋ったんです。」
会長『嘘なんて無い、無い。その通りよ。だから言えるんだよ。隠してどうするんだよ。出してきたから、言えたんでしょ。
「あなた贅沢ですよ。」って言ったのは、「私は、感謝しています。」って言えば、だれも文句を言わないのに……。「大変なことばかりだった。」って言うから、それじゃあ「そんな悪いことばかりじゃなかったでしょ。如何に自分が、幸せか確認しましょうね。」って言っているだけ。
「それじゃあ言わなきゃ良かった。」じゃなくて、言ったから自己確認できたんだよ。……良かったよね。』
ゆみさん「そうですね。まあ、自己確認ですね。」
会長『偉そうに。』
蔦谷さん「確かに、ちょっと偉そうやったなあ。」
会長『まだ、スピーチの締めくくりになっていないなあ。』
せつさん「……。」
会長『考えなきゃいけないの。じゃあ、面倒くさいから「会長に逢えて嬉しい」って言ってよ。』
せつさん「嬉しいです！」
会長『押し売りか！……ありがとね〜』
目の前にあるものは、「当たり前」と思ってしまうことがあります。「当たり前」にあるものだから、無くならないとありがたさが、解らないのかもしれません。
気持ちや考え方にも「当たり前」があるはずでしょうが、見えなかったり、見ようとしないことがあります。
妻を、夫を、子どもを、親を、誰かを、大切に想うことは、「当たり前」です。不幸にすることは、「当たり前」では、ありません。
「当たり前」を見失ったり、間違った「当たり前」を押し付けたり、自分では理解できない正しい「当たり前」を目の当たりにすると、争いが起こります。
会長の話を聴いていると、正しい「当たり前」に気付かせてもらえるのですが、次の日には、ほとんど忘れてしまいます。呑み過ぎと睡魔で記憶が……、おぼろげです。
| 
