穏やかな季節は足早に過ぎ去り、厳しい冬の足音が聞こえてきそうな京都・祇園で今宵も賑々しく、他愛のない話と数えきれない量の冗句が、飛び交います。
会長『この間、いじめ問題を抱えている700人ぐらいの中学校に行ってこんな話をした。「俺いらの体験では、いじめられて困ったり、辛いと思うからいじめてくるんだよ。来たらその場でやり返せ!」
親に心配かけちゃいけないとか……っていうのが、ジクジク溜まって結局は、自殺まで行っちゃうんですよ。
「全員、今から俺いらの話を聞け!例外なく明日からいじめがなくなるぞ。
こら!いじめているヤツ。明日は、お前の番だぞ!」そしたら大笑い……2時間。
おそらく、もういじめなくなっていると思う。いじめる事の詰まらなさが解る。「いじめちゃいけません」とか、理屈でものを言ったとして、誰が言うことを聞くんだ?って事。』
櫻井さん「母が、従姉妹に聞いた話。おばあちゃん夫婦の仲が悪かった所為か、母がお腹に宿った時、おばあちゃんは、母を「いらない」って思っていたとの事。
母にそれを聞いてショックなことないの?と聞いたら、「あの頃は、すごい大変やったからそんな事を思ったこともない。生きるために必死やったからそんなこと考えていられなかったわ。」
なるほど……私は生きる事に切羽詰っていないから母に対して文句言っているのかなあ。一生懸命生きていないからかなあ。
文句言っている人生は、あまり良くないと思う。人の所為にしていないと思いながらもいつの間にか、人の所為にしているのだなあと最近、思っています。
親と一緒に暮らしていると喧嘩もするし、文句も言う。子どもをもっていないから親の立場で親に感謝もできていないし、子どもの立場でしか親にものを言えないから……その辺は、仕方ないのかなあ」
蔦谷さん「だからと言って、居心地が悪い訳じゃないよな?」
櫻井さん「ええ。とても居心地がいいから、そこに居ているのだと思います。
文句言える相手が、いる事に感謝をしなければいけないのだけれど、私は何をグズグズ言っているんでしょうね……。」
会長『俺らのおふくろも、そんなこと言ったことがあるの。言っちゃいけないことを言うんだよね。
「生みたくなかって」言うんだもの。
あんな時代だから孕まされた、別に生活も面倒見てくれる訳じゃない。また一人増えた。それでそういう言い方に……。
ところがね、あれは深い悲しみで言っているのね。グサッっとくる……。
それをあなたが、言えるってことがすごいよ。何気なく……ねっ。』
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