琴線にふれる・その後
平成20年1月27日 目次に戻る
「会長と弟が会う場面をずっと思い描いてきて、ひょんな事からそのタイミングが来た」と語って下さったのは、昨年の9月の報告「琴線にふれる」に登場した、引きこもりの弟さんをなんとか立ち直らせようとするお兄さんです。
「親父と喧嘩して家に穴を空けたと弟から電話があって、またいつものことか、と。でも今回はうーむと思い、専務に電話して会長と話をして、東京に面白い髭のオジサンが居るからって弟を連れ出した。親父も一緒に引っ張って。
とにかくびっくりしました。会った瞬間、会長の前に弟が座って、全然帰ろうとしない。僕もここ4、5年、弟に悩まされて色んな処を走り回っていたんですけど、大概の処に行っても5分じっと座っていられない、すぐ文句を言って帰るってなるんですけど、不思議と会長の対面に座って天丼食べながらお酒飲んで、全然顔が違う。話すにつれ、緩んでくる。会長も雑談しながら、じゃあちょっとお祓いしようかって。
頭と顔をお祓いして貰った後、3〜4年前に亡くなったお袋の影響がかなり弟にあった。お袋と親父の仲が悪くて、そのお袋の思いがずーっと弟にあったという物凄く腑に落ちる話をして下さいました。
"じゃ飲みに行くか"って会長が誘ってくれて、弟も"5分だけ行く"って。そしたらその5分が夜中の1時にまでなって、まったく温和な表情になっていて、親父が横にいて、オレがこっちにいて、ダジャレ言いながら楽しく飲んだ。
2年半くらい時間もかかったけど、会長と引き合わせられた事が本当に嬉しかったですし、ずーっと曇っていたのが消えた気がして今日、ものすごく心地良く話をさせて頂いています」
会長は「弟がネックだった。うつで引きこもりで仕事もしないし、壁に穴を空けて、ひょっとしたら危ないって私も感じていた。すごく淋しいから衝動買いもする。親の金を盗んでも買い物に行って、ある金は全部使ってしまう。金金金って金が欲しいんじゃない、ストレスだよね。
その弟に上手い事言って東京に連れて来て、その場で良くなっている。でも連れて来る迄、時間がかかった。その前に自分が修業したんだね。やっと連れて来れる状況になった。
人間って誰か病人が居るからって、例えば自分の子供が風邪引いて熱出した、ハイ薬、ハイ医者、ハイ注射って、それはダメなんです。まず自分で努力しなくちゃ。ちょっと手伝って下さいって医者があるなら良いんですけど、全部預けてしまっては治らない。徳から出ているエネルギーが無いとね。愛のエネルギーが無いと。
これまでも親父さんと一緒に霊能者や針灸師や名医師やあらゆるところへ連れて行っていた。何とか良くしようと思ってね。ただし、弟を連れて行って始めて会っている人ばかり。それ、手抜きなんだよ。それが弟にバレていた。でも今回は違った。親父まで例会に出て来て勉強して、みんな自分のことを考えてくれているのが伝わって、愛情を感じていた。
弟も"兄貴にも親父にも迷惑かけるし、放っておいたら何をするか分からないし、自分で病院に入るしかないなって覚悟をしているんです。車とか電車とか息苦しくてダメだから、巷で会うのは家族以外ではあなたが最後です"って言って来たんだから。
時間を短縮したね。寿命は変わらないからね。弟があと30年生きるとしたら、その間ずーっとあのままなのか、そしたら兄ちゃんも結婚出来ない、親父さんもヘトヘト、全くどうにもならない。家庭崩壊だよね。
今までは大変だったけど、大丈夫。弟がこれから自分で直していくよ。分かったんだ、あなた方の気持ちが。誤解していた事がいっぱいあった。だから足を引っ張っちゃいけないって思っています。だけど、一遍には出来ない。ちょっとずつ、もういいなって思えるようにしてくれるよ。
|