●●●

TOP

病は克服できる

幸福のプレゼント

復興への道

愛ある故に

入会案内



                   たった一人を

                                     平成25年3月13日目次に戻る

  東日本大震災から丸2年経ちました。
                        「昨日は人の身、今日は我が身」

  先月の……新井さんのお子さんは、元気にされていると近況報告がありました。

  会長『お母ちゃんの素敵なところは、反省力が凄いね。お母ちゃんの様に「パッ」って喋る人はね、なんか文句を言うと、「だけどね」とか、「そうは、仰いますけどね」って言う人が多いよね。お母ちゃんは、いきなり反省に入るからね。「ワァー、ワァー」って言っているくせに「喝!」言ったら途端にすごい反省力でしょ。シュンとなったでしょ。
 「なによ、あなた。今日初めて来た人に言われる筋合いは無いわ。」って言ったら喧嘩になるけれど、シュンてなれる。うちのかみさんも、それは凄い。
  有りっ丈の文句を言いながら、自分で「どこかで止めて」と思っているのだろうけれど、止めない限り、終らないのよ……。
  言うだけ言わせておいて、「喝!」って言った途端、ピッと止まる。それで、凄い反省に入っていくね。

  お母ちゃんもそういうところあるんだよ。あれだけ子どもを想う親って……誰でも親は、子どもの事は、可愛いのだけれど、あんなに子を想う姿っていうのは、具体的に最近見ていなかったよ。引きこもりに入っていたのか知らないけれど、学校にも行けなくなっている……お母ちゃんもうボロボロだったんだよな。

  翌日から学校に行ったんじゃなかったの。今もちゃんと行っている?』

  新井さん「はい!」

  会長『ほーら、お母ちゃんの反省力ですよ。あそこまで行ったら、生涯ダメなくらい落ち込むよ。家庭は、おかしくなる。喋らなくなる。学校へ、行かなくなる。で、どんどん悪い方にみんな行くんだけど、一瞬だもんな。』

  蔦谷さん「そりゃあ、会長のお力ですわ。」

  会長『いや、お母ちゃんの愛ですよ。あれは、深いわ。
  下手すりゃ2年かかるみたいな精神的障害が、瞬間だもんな。何か喋ったかと言ったら……、あいつ全然喋らないから。みんな来ていても……ホテルで飲んでいても……。
  でも、あいつ居残ったね。何にも喋らないくせに、ホテルのバーにじっと座っていて、だんだんあいつの目が変わっていくんだよね。
  で、帰りに「おい!明日学校行くんかい?」って言ったら、「あぁ!」って言ったもんね。その通り行ったんだな。

  普通に考えりゃ奇跡だよな。めっちゃ嬉しいよね。あの病気を燻らせたら、どんどん人間ダメになるから、日に日に腐っていくから。
 「ホントに何を考えているのか、この子は……」って思ったら、口先だけで「がんばれよ」とかいう言葉じゃなくて……「愛」』

  会長『ある時、ある奥さんが、夫婦で来たのだけれど……、復興の話をしているのに、最後にスピーチになって、「私……、あと半年の命って言われています。でも……来ました!」って。
  褒めて欲しかったんだろうね。そしたら周りが、大笑いしたんですよ。自然会って、そういうところなのよ。
  だって、そういうことは、笑う人種たちだったのよ。
 「半年しかない」って言われて、しかも「被災地に応援に来ました」って来て、それを見て全員が、笑ってね、
 「わぁー、良かったわね。半年もあるんだ。」って言ったんだよ。全員が言ったんですよ。

 「何を考えているんだ。半年もあるんだ。被災地の人たちは、一瞬にして死んでいるんだよ。何を言っているんだよ。こんな有り難いことは、ないだろう。」って。そうしたら、しばらくして、気楽にお亡くなりになりました。

  その亡くなる間際よ、亭主からの電話でね、「嫁が、会長の声を聴きたいと言っているので、話ししてくれますか?」って。

 「いいよ」って言ったら、俺らに一言も喋らない。会長だよって言われて受話器を渡されて……

 「あー ……、りー ……、 がー……、 とー…………」って言って亡くなった。

  去年で言えば、俺らの叔父も死んだ、母親も死んだけれども。みんな……やっぱり生き様だよね。つまらん人生を送っていると、阿鼻叫喚で死ぬのよ。誰にも祝福もされないでね。ところが、大往生できるっていうのは、誰をも泣かせていない、誰にも迷惑をかけていない、だから人間って大往生するんでしょ。
  どこかが、痛い訳でもなくて、楽しく逝く訳だから……。

  じゃ、50歳で死んだら不幸?っていうと、中身が詰まっている人にとっては、別に不幸でもないのよ。
  人の何百倍も中身の濃い人生を送っている訳だから、人に喜ばれ、感謝されて一生懸命生きて……。
  只、長生きしたいだけで、「タバコを止めましょう。」「酒を止めましょう。」って禁煙、禁酒しても、誰も喜んでいないよ。

  この世の中って恐ろしいよ。「がっかり……」なんてもんじゃないよ。
  それじゃあもう、全て諦めるのかっていうと、違う。そこから生まれてくるのが、たった一人の人を大事にしましょうよ。まず嫁、それから親(感謝する)、子ども(託す)。
  一番大事な……、これだけは大事にしていれば良いんじゃないかなあと思う。
  それを、世界を救うだの、地球を救うだの、馬鹿なことを言ってもね、全然違うところで動いている。』

 『たった一人を……幸せにしよう。』







←前号の京都「爽やか会」報告
←前号の東京「音羽村だより」
目次に戻る
このページの最初に戻る
次号の京都「爽やか会」報告→
次号の東京「音羽村だより」→