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●京・このごろ会通信


                   あなたの優しさが怖かった

                                     平成20年7月16日目次に戻る

  今月久しぶりにお越しの、ある男性からの今日このごろ・・・先月から幾分鬱気味であるとのこと、先ず彼からの話しです。
 「今晩は、東京自然会より来ましたMです。私は皆さんも一度は聞かれたことがあると思います、幾分名の通った会社に勤めています。実は先頃思い余って、会社を辞めます!と常務に宣言してしまいました。その出来事自体は大事にはならず、収まっているのですが・・・それ以来、私が抱えている気持ちを話します。
  何年も掛かった大きなプロジェクトが最近終わり、自分の中でもやり切った充足感を覚えていました。そのプロジェクトは会社から成功の評価をいただき、直属の上司と私は役職が上がることになりました。私はその上司の元で必死にプロジェクトを支え、多くを犠牲にして共に頑張ってやってきたつもりでした。
  しかしながらその上司の役職が上がり、私と共に過ごした部署を離れる時 ―これで私は、このチームから離れます。以後(私の名前は言わなかったが、わかる言い方)とは関係はありませんので、事後処理はよろしく!― と一言述べて去っていったのです。人間と言うのは弱くもろいもので、その一言で私の中で何かが崩れました。我慢してきた事が堰を切って出て、もうこの会社で働けないと涙が溢れだしました。その勢いで会社の常務に、辞職の宣言をしてしまったのです。」

  その後Mさんが言うには、この話を先月の東京自然会で会長に聞いていただきたかったのだが、あるDVDの鑑賞会になり話せなかった。胸のつかえが取れず、自分自身で鬱気味だと思い込んでいたとのこと。いろいろなカウンセラーにもあたって、最後に今付き合っている彼女に会社を辞めたいと話してみたそうです。その日まで弱いところを彼女に見せた事はなく、どんな反応が返ってくるか怖かったとも話していました。
  彼女の「私はどうすれば良いの?私の存在は何なの!」と逆に問われたことは、彼自身が彼女に求めていた答えで無かったようです。そんな弱い自分に嫌気がさし、彼女に別れを告げたそうです。 
  その後少し間があって、彼女は涙を流しながら「私はあなたが会社を辞めても、一緒になりたい!」と言ってくれ、現在はもう一度冷静になっていろいろ考えているそうです。又、彼女のけなげさを感じていますとのことでした。

  東会長は彼の話しを遮って、「10秒だけ―あなたの優しさが、怖かった―」と鼻歌で語られました。そして、「おまん!それでは彼女と一緒になれないよ。彼女はね、俺について来いと言われたかったのだよ。おまんは、優しすぎ!考えすぎ!弱すぎ!・・・それは優柔不断だ。優しさと、優柔不断を一緒にしてはいけない。頭で考えてばかりでは、前に進まないことを知らねばいけません」との諭しがありました。


                     くらべてはいけない

  現在お孫さんもお持ちの傍目には、大変幸せそうなFさん(女性)の今日このごろです。
  ご主人は長男で、先代から自営業を営んでいます。大きな家はご主人の代で建て替え、現在賃貸のマンションも経営されているそうです。彼女が嫁に来て以来続く、嫁vs姑・義姉妹(小姑)との確執を切々と語られました。
  詳しい内容はプライバシーなので、書きませんが・・・ご主人の姉(長女)は現在病気入院中ですが、出戻った方で実家のマンションに一人住まい。彼女には何時も辛くあたったようで又、他の姉妹も嫁である彼女が何でもするのが当たり前、看病その他の雑務だけは嫁の務めと押し付ける人達だったそうです。
  彼女自身は一生懸命に嫁の務めを果たしてきたつもりでしたが、その義姉妹の冷たい仕打ちに、今は一切何もしないと決めていると最後に結んでいました。

  京都は古い街と保守的気質からでしょうか、嫁姑の問題は『いけず』の言葉に象徴されるが如く、正面きってではなく裏でネチネチと続く嫌味が多いようです。本日参加の他の方々も「Fのおかあさんの話、どこの家庭でもあること! うちの母親もほんとに、嫁姑では苦労してきました。」と同情の言葉が多く聞かれました。

  当日参加していた小学生のAちゃんが、「その病気の人や義理姉妹は、きっとFさんに看病はして欲しくないんじゃないかな?」とぽつんと一言。
  それを東会長が聞き逃さず「一番この話を真剣に聞いているのはAちゃんだよ! 他の者は半分も聞いていない、彼女はちゃんと分析している。これは心の問題なのでしょう! 彼女達(義理の姉妹)にとって、Fさん(嫁)はあくまで他人のままと言うことだな」と言いながら、Aちゃん、もう少しFさんに言ってあげてと続けました。
  Aちゃんは続けました、「わたし思うんやけど…Fさんが看病したかったら、したらいいねん!他の人が何言っても関係ない、自分の心でそれが良いと思ったら(義務や立場じゃなく心から思ったら)。イヤやったらやめたらいい、難しいことやない!でも…今はFさんが関係ないから何もしないと決めていても、後で後悔するかも知れないからじっくり考えたらいい!」   その後、会場は静まりかえりました。どこからか「凄い!」との言葉。パチ・パチ・パチと拍手まで起こったのでした。

    会長は「くらべてはいけない」と話された、これはきっと知らぬ間にいろんなことを秤にかけて「損得」を考えてしまう凡夫へのお叱りだろう。今日が最期と思えば、人に尽くす事が出来る。人に感謝する事が出来る。貴方の命が輝く。魂が磨かれる。

 




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